蛇口の水漏れを自分で修理する簡単な方法【原因と直し方】
水道
水道
2019.04.05
最終更新日:2022.06.03
キッチンや洗面所、お風呂など水道の蛇口からポタポタと水漏れするというのはよくあるトラブルの1つです。
直面すると焦ってしまうかもしれませんが、慌てなくても大丈夫。
自分で水道の蛇口の水漏れを修理できる簡単な方法はあります。
ここでは、「蛇口全体」「台所と洗面台」「お風呂」「洗濯機」の4箇所別にご紹介!
>蛇口の水漏れを自分で修理することが難しい場合はプロに相談!詳しくはこちら!
なお、蛇口の修理ではなく交換をしたい方は下記の記事をご覧ください。
>蛇口を自分で交換する方法を場所別に解説!【キッチン/洗面所/風呂/洗濯機】
目次
水道の水漏れを自分で修理するためには、まず必要工具を揃えておきましょう。
以下の工具が必要になります。
いずれの工具もホームセンターで揃えられるので、水漏れを自分で直すまえに、揃えおきましょう。
水道の蛇口の水漏れトラブルの必須アイテムとして、ボルトを締めたり緩めたりするのに用いる、モンキーレンチ(アジャスタブルレンチ)が挙げられます。
モンキーレンチは、ボルトをつかむアゴの部分の幅をウォームギヤで自由自在に調節して変えることが可能です。
モンキーレンチの使用上の注意点として、がたつきが起こるとボルト頭の部分にダメージを与えてしまうので、きちんと合わせて使うのがコツです。
トルクレンチはモンキーレンチと同様にレンチの一種です。
ナットを締めるのに一定の力をかけて締め付けをする時に用います。
トルクレンチにはメモリがついており、力の締め付けの度合いがメモリでわかる仕組みです。
トルクレンチは、水道の蛇口の水漏れ修理に使うだけではなく、バイクや自動車の修理や整備にもよく使われています。
水道の蛇口の水漏れトラブルが発生したら、精密ドライバーを使ってネジを外す作業を行います。
精密ドライバーは、ハンドルの形状やネジの大きさによって使用する種類にそれぞれ違いがあります。
精密ドライバーの価格は高いものでも2,000円程度です。
ピンセットは、水道の蛇口の内部にある小さな部品を取り出す時に使います。
ピンセットの価格は安いもので100円程度、高いものでも1,000円前後です。
水栓レンチは水道の蛇口自体を外す時に使うものです。
価格は1,000円~1,500円程度です。
シングルレバータイプの混合水栓 (シングルレバー混合水栓) は、1本のレバーを上げ下げして使うシンプルなタイプであり、台所や洗面所などで多く用いられています。
ふだん使っているシングルレバー混合水栓の蛇口付近から水漏れがあるという場合は、速やかに水漏れの状態を把握する必要があります。
まずは水を出しているときだけ水が漏れているのか、蛇口を閉めているときにも水漏れがあるのかを確認しましょう!
状況によって対処法が異なってきます。
水を出している時に蛇口本体の周囲から水漏れする場合、その原因としてパッキンが老朽化している可能性が考えられます。
改善のためには、パッキンを交換する作業が必要となります。
パッキンは自分でも交換できます。手順は以下の通りです。
水道の元栓を閉めておかないと、作業の途中に水が飛び散ってしまうことがあります。
水道の元栓は、一戸建て住宅の場合は家屋の建物の横や裏側、マンションなどの集合住宅では玄関のドア付近にあります。
レバーはネジで固定されているので、ドライバーを使ってネジを外します。
外したネジは紛失しないように注意しましょう。
レバーを外したら、レバー下の部品を取り外します。
こんな時に活躍するのが、モンキーレンチ!
モンキーレンチとは、ナットやボルトを緩める・締める、この作業が自由自在に出来る便利な工具です。
モンキーレンチでレバーの下をつかんだら、時計の反対方向に回して緩めます。
ただし、使用状況によっては、固くなっていて取り外ししにくい場合もあります。
シングルレバー混合水栓の部品を外したら、パッキン交換を行います。
2箇所のパッキンを両方ともすべて交換して、新品に取り替えます。
パッキンの種類は様々ですが、メーカー・品番によって選びましょう。
パッキン交換作業が完了したら、全ての部品を元に戻し、水道の元栓を開けて水の出具合を確認します。
水道の蛇口を閉めた後にも、吐水口から水がポトポトと音を立ててなかなか止まらない場合には、シングルレバー混合水栓内部のカートリッジの品質が劣化した可能性が考えられます。
この場合は、劣化したカートリッジを速やかに新品に交換するのが最善策です。
カートリッジの交換・取付の方法は難しくはありませんが、作業前には取扱説明書を熟読しておきましょう。
とくにカートリッジの交換・取付作業の手順と注意点については要チェックです。
なお、カートリッジの取付向きを間違えてしまうと、水とお湯の切替えが逆になることがありますので気をつけましょう。
シングルレバー混合水栓の場合、水漏れ箇所がシングルレバーの下や接続部なども想定されます。
これらの箇所から水漏れしているケースでは、パルプが故障している可能性が高いです。パルプ故障であれば、次のようなステップで修理しましょう。
吐水口につながる細い管が「スパウト」ですが、この上下から水が漏れているケースでは、複数の原因が考えられます。
主に考えられる原因は、4つあります。
そのため、どれが原因なのかを、以下の方法で慎重に見極める必要があります。
最初に、レバーハンドル引き抜きレンチを用いてナットの緩みを確認します。
ナットの緩みが原因でなければ、スパウトの内部やパッキンに傷がないかをチェックしてみましょう。傷があればそれぞれ、新しいパーツに交換してください。
ハンドル混合水栓とは、バスルームでよく見かける、水が出る蛇口とお湯が出る蛇口の2つに分かれているタイプです。
ハンドル混合水栓の水漏れの解決対策についてお伝えする前に、仕組みと部品について簡単に説明します。
ハンドル混合水栓の部品は上から順に、
で構成されています。
ハンドルを回せばスピンドルが締まり、これによってケレップが押されて蛇口から水が出る仕組みとなっています。
こちらもハンドルを回して水を出しているときに水漏れがあるのか、ハンドルを閉めても水漏れがあるのかによって対処法が異なってきます。
ハンドルを回して水を出しているときに付け根から水漏れする場合は、三角パッキンなどの水道パッキンの交換作業を行う必要があります。
ハンドル混合水栓のパッキンの交換作業の手順は、下記の通りです。
まずドライバーなどを利用して、ハンドルの中央にあるハンドルキャップを取り外します。
ハンドルキャップの下にあるねじを外してハンドルを取り外します。
ハンドルを外すと、カバーナットと三角パッキンが出てきます。カバーナットを取り外してパッキンを新品に交換します。
部品を元に戻し、水道の蛇口から水を出して、水漏れがなければ作業完了です。
ハンドルをきっちり閉めた後も、吐水口の先端から水がポトポト落ちてくるというパターンです。
その場合は、ケレップと呼ばれるパッキンの交換作業を行う必要があります。
ただし、パッキンを交換しても水のポトポトが改善されない場合は、ケレップの上にあるスピンドルという部品の交換作業を行うことが必要です。
それでも改善されない場合は、水道の蛇口ごとの交換が必要となるケースもあります。
スポンサードサーチサーモスタット混合水栓とは、温調ハンドルで温度を設定することで、自動で温度を一定に保ってくれるタイプです。
こちらもバスルームでよく見られるタイプで、主に以下のパーツで構成されています。
温度調節ハンドルを使って温度を設定すると、温度の変化に応じてバルブユニット内部のコイルが伸縮する仕組みになっており、切り替えハンドルを動かすことで湯水の量を調節して使用します。
シャワー付きの洗面台やお風呂場などでよく見られるタイプですが、どの部位から水漏れしているかによって対策方法が異なります。
シャワーホース部から水漏れしているケースのほとんどはパッキンの劣化が原因です。
パッキンの交換方法はいたってシンプルで、シャワーヘッドの下部分を回してヘッドを取り外したら、ホース側にあるパッキンを新しい物に取り換えるだけ!
専門的な器具はいらないので自分でも簡単に交換できます。
シャワーヘッドやカランの水漏れ原因のほとんどは開閉バルブの劣化や故障がほとんどです。
開閉バルブの交換方法はメーカーや商品によって異なりますが、一般的な方法は以下の通りとなります。
まずは止水栓を止め、水が出ないようにします。止水栓は本体の両方にあるのでどちらも閉めるようにしてください。
ハンドルは引っ張って外す方法と、ネジを外してから引き抜く方法のいずれかが一般的です。ネジ式の場合はハンドルの側面にあるキャップを外すとネジが出てきます。
カランやシャワーのマークがついている表示リングを取り外します。
取り外す際、少しリングを曲げる必要がありますが、力を入れすぎると折れてしまうので注意しましょう。
次に固定ナットを取り外しますが、非常に固いため、素手で取り外すのは不可能です。
ホームセンターなどで販売されているウォーターポンププライヤーなどの道具を用意して取り外しましょう。
スペーサーと呼ばれる白い器具を引き抜きます。
このスペーサーはバルブの軸を固定するとともに、カランとシャワーを切り替える際のカチッという音を慣らす役割を担っています。
こちらもスペーサー同様、ただ引っ張るだけで取り外せます。
古い開閉バルブから新しい開閉バルブに交換します。
あとは逆の手順で元に戻していけば完了です。
洗濯機は大量に水を使用するため、水漏れトラブルが発生した場合、被害が大きくなりやすい傾向にあります。
特に集合住宅の場合、自宅だけでなく階下の部屋にまで水漏れ被害が及ぶおそれがあるので、水漏れの兆候があったら迅速に対処しましょう。
給水ホースから水が漏れている場合は、ホースのパッキンまたは本体そのものが劣化している可能性大。
以下の手順でホースやパッキンの交換を行います。
洗濯機側の給水ホースは根元にあるプラスチックのナットを手で回してはずします。
蛇口側のナットはニップルがなければ接続部分の突起を押すだけで簡単に取り外せます。
ニップルがある場合はプラスドライバーでネジを外してから給水ホースを取り外します。
取り外した給水ホースの両端をチェックして、パッキンが劣化していたら新しい物と交換します。
もしホース自体が劣化または破損していた場合は、ホースそのものを新品に取り換えましょう。
蛇口まわりから水漏れしている場合は、ハンドル根元のナットが緩んでいるか、またはパッキンの劣化が原因である場合がほとんどです。
ナットはモンキーレンチなどで締め直せばOKですが、パッキン劣化の場合は以下の手順で交換する必要があります。
ラジオペンチを使って蛇口ハンドルの丈夫にあるカラービスを回して外し、ハンドルも取り外します。
カラービスの色はメーカーによって異なりますが、青っぽい色をしていることが多いようです。
モンキーレンチを使ってナットを取り外すと、パッキンが出てきます。
新しい物と交換し、逆の手順で元に戻しましょう。
なお、まれに蛇口そのものの故障が原因で水漏れすることがありますが、その場合は蛇口本体を丸ごと交換する必要があります。
本体交換には配管とつながっているパーツなども用意しなければならないため、専門性が高く、素人が手作業で行うのは非常に困難です。
蛇口本体に破損などが見つかった場合は、自分で何とかしようとせず、専門業者に依頼した方が無難でしょう。
水道の蛇口の水漏れを自分で簡単に解決する方法はありますが、1つ注意点があります。
それは、万が一、自分で修理していてうまくいかない場合、水漏れが直るどころかかえって逆効果になってしまう可能性があるということです。
自分で水道の蛇口の水漏れを直していても、失敗すればパッキンなどの部品の交換費用が余計に高くついてしまうこともありますので、水漏れの修理の作業は慎重に行いましょう。
水道修理専門の業者に依頼する場合、修理費用と合わせて部品交換代金がかかるため、さらに費用が高くなってしまいます。
水漏れは症状の度合いにかかわらず、すぐに対処しないと経済面や環境面などでさまざまなリスクを抱えることになります。
水漏れが発生していると、水を使用していない間でもどんどん水道使用量が増えていきます。
実際、普段と同じ生活を送っているのに水道料金が大幅に増加し、初めて水漏れに気づいたというケースも少なくありません。
たとえぽたぽたと水滴が落ちる程度の水漏れであっても、24時間休みなく漏水していればかなりの量となるので、家計の負担も大きくなります。
水漏れによって家が湿り気を帯びると、多湿を好むカビが発生しやすくなります。
カビは水漏れしている部位だけでなく天井や壁など至る所に発生するので、見た目が悪くなるのはもちろん、悪臭の原因やアレルギーのもとにもなります。
さらにカビが家の基礎部分に発生した場合、柱などが腐食するおそれがあります。基礎がだめになるとちょっとした地震でも家が傾いたり、倒壊したりする危険性があるので、たかがカビと軽視しないようにしましょう。
水漏れが家の下にまで入り込んだ場合、地面が湿って家全体に湿気が伝わりやすくなります。湿度が高いとじめじめ感やベタベタ感が強くなり、家で快適に過ごせなくなってしまいます。
特に夏場は熱中症のリスクが高くなるので要注意。気温が25度以下であっても、湿度が80%を超えると熱中症にかかる確率が高くなります。
家電製品は水に弱いため、水漏れの被害を受けると故障の原因となります。
たとえば二世帯住宅では二階にも流しがあるケースが多いですが、そこから水漏れが発生した場合、階下にあるテレビや冷蔵庫などの家電に被害が及ぶ可能性があります。
特にパソコンなどの精密機器は湿気に弱く、高温多湿の環境下に置いていると故障の原因になることも。
しかも被害は家電だけにとどまらず、故障から来る漏電で火事に発展する可能性があるので注意が必要です。
戸建ての場合、水漏れが起こっても被害は自宅のみで済むケースがほとんどですが、マンションやアパートなどに住んでいる場合、自宅の水漏れ被害が近隣の部屋にまで及ぶおそれがあります。
特に起こりやすいのは階下への水漏れ被害で、過去には3階からの部屋からの水漏れが1階にまで伝わり、各階の住人から損害賠償請求されたケースもあります。
天井や壁の損害だけでなく、家具や家電の弁償を求められる場合もあり、被害が甚大になるおそれがあります。
水漏れは症状が軽度であれば自分で部品を交換するなどして対処することが可能です。
ただ、専門的な工具や作業が必要だったり、被害が甚大で早急に対処しなければならなかったりする場合は専門業者に依頼しましょう。
初めて水道の専門業者に依頼する場合、状況が状況だけにあわててしまいがちですが、トラブルをスムーズに解決するために以下のポイントをしっかりおさえておきましょう。
ぽたぽたと滴が落ちている程度の被害であれば、バケツや雑巾などを置いておけばある程度対処できるので、業者対応が翌日以降になっても被害が大きくなることはありませんが、ジャージャー水漏れしている場合は数時間放置しているだけでも甚大な被害につながるおそれがあります。
急ぎでない場合は平日日中営業の業者を選んでもかまいませんが、早急にトラブルに対応してもらいたい場合は24時間365日対応の業者を選ぶようにしましょう。
水漏れ修理の費用は症状などによって異なるので、一概にいくらと言うことはできません。
しかし、相場より安すぎる業者は要注意。前者は後から追加費用を重ねられてトータル費用が高くなってしまったり、アフターサポートが適用されなかったりすることがあります。
逆にハウスメーカー提携の業者を利用すると、競合店がいないぶん、料金が割高に設定されているケースがあります。
蛇口の水漏れ修理の場合、症状が軽度であれば費用相場は4,000円~5,000円程度なので、相場より安すぎるor高すぎる場合は候補から外すか、納得できるまで価格交渉を行いましょう。
業者に水漏れ修理をしてもらって一安心…と思っていたら、また調子が悪くなったというケースもゼロではありません。
業者によっては修理後、一定期間の保証を設けているところがあり、保証期間中であれば修理箇所の不具合を無償で直してもらえます。
保証なしの業者を利用すると適切なアフターサポートを受けられず、再度修理費用を請求されてしまうことになるので要注意です。
水漏れの原因は多岐に亘るため、豊富な知識と経験がなければ問題箇所を迅速に発見できず、適切な修理を受けられない可能性があります。
また、実績豊富なところなら修理のスピードも速いので、早急に対処しなければならない水漏れでも迅速に対応してもらえるでしょう。
わからないことや不安なことなどを質問しても的確な答えをもらえるので、今後の水漏れ対策などを尋ねてみるのもおすすめです。
水道の蛇口の水漏れは、いつどんな時に発生するかわかりません。
さっきまで普通に水が出ていたのに、ある日突然急に蛇口から水が漏れてしまうこともあります。
そんな時は慌てないで水漏れの原因を突き止めること、そして水漏れの原因に見合う対策を行うことが大切です。
もし自分で修理を行おうとして難しいと感じた場合には、無理せず修理業者に頼るのも手です。
早期発見・早期対策ができるように最善の策をとりましょう。